【第11話】【2003年ワーホリ回顧録】青春を賭けた大陸横断と人生の答え

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言葉にできないほどの静けさの中で、空の色が変わっていく。スマホの画面越しではなく、心に直接焼き付けたこの景色は、20年以上経った今も色褪せることはありません。

【必読】物語執筆の背景やコンセプトは👇から

スマホもGPSもなかった時代:2003年ワーホリ回顧録を公開する理由

【第11話】🏔️ 西オーストラリア南下ロードトリップ:カリーの木登りとKnoll Bluff登頂の達成感

📍 序章:西オーストラリアの州都パースでの休息と、レンタカーでの南下ロードトリップ

2003年11月下旬、西オーストラリア州の州都パースに到着した私は、束の間の休息と周辺地域を観光しながら、旅の次のステップを模索します。ダーウィンからここまで寝食を共にしてきたシドニー時代からの友人ヨシはファームへ働きに出るということで旅立ちを見送り、私は一人旅の続きに出発します。

パースでの観光もそこそこに、トラベルエージェントを巡って、南へ行く手段を検討。バスやツアーの選択肢もありましたが、自由度と費用の観点から、私は最終的にレンタカーを1週間借りて回るというプランに決定します。

そしていよいよパースから南へと向かう極限のロードトリップへと挑みます。しかし、旅のスタートは波乱含みでした。

「どっちの方向かもわからないまま走り出したら、いきなり逆方向に行って迷った。結局、1時間くらいパース近郊をうろうろしてからの本格出発となった。」

(2003年11月26日の日記より抜粋)

現地で手に入れた地図と、地球の歩き方だけを頼りに、右も左もわからないまま走り出す、まさにアナログな旅の始まりでした。


🌲 スリル満点の挑戦:命綱なしのカリーの木登りと巨大鍾乳洞探検

南下した私は、数々の挑戦的なアクティビティをこなしていきます。

1. スリル満点の鍾乳洞探検

まず訪れたのは、鍾乳洞(Giant Cave)です。この洞窟は、驚くほどスリル満点でした。

「真っ暗な洞窟をライト1つで進む体験は、なかなかスリルがあって面白かった。」

(2003年11月28日の日記より抜粋)

文明の光が届かない地下深くの闇を進む感覚は、探検心を強く刺激しました。

2. 恐怖と達成感:カリーの木登り

この旅のハイライトの一つが、巨大なユーカリの木に打ち付けられた梯子を登る「カリーの木登り」です。命綱もなく、ただ梯子だけが頼りのこの挑戦を、私は3本すべて登り切ることに挑戦しました。

途中で出会った旅仲間のユウスケたちと合流し、キャンプ禁止区域でのスリル満点の野宿を経験するなど、旅の連帯感も深まっていきました。焚き火を囲み、インスタントラーメンを食べながら語り明かした夜は、最高の思い出です。

カリーの木に登りながら

⚠️ 西オーストラリアの荒野:夜間運転の危険と鳥の衝突事故

ワイルドな挑戦が続く中、旅の厳しさを再び突きつけられる出来事がありました。

「泊まる場所を探していたら夜になり、途中で鳥が車に突っ込んできた。普通に『ゴン!』と2回当たってしまい、気分がブルーに。」

(2003年11月27日の日記より抜粋)

カンガルー事故(第9話)ほどではないにせよ、広大なオーストラリアの荒野での運転は常に危険と隣り合わせです。暗闇の中、突如として車にぶつかってくる鳥に、私は旅の孤独感と制御不能な自然の力を痛感しました。

荒野を走っているとカラフルな鳥が突っ込んできます

😩 体力の限界を超えて:Knoll Bluff登頂と、遠距離の恋人の存在がくれた達成感

ロードトリップも終盤に差し掛かる頃、私は肉体的な限界に直面します。連日の運転、野宿、そしてアクティビティの疲れが溜まり、Emu Pointで浴びた冷たいシャワーも相まって体調は思わしくありませんでした。そんな中、私はKnoll Bluff(ノール・ブラフ)への登頂に挑みます。

「体調も良くなかったため、かなりつらい登山となった。」

(2003年11月30日の日記より抜粋)

どれだけ歩いても頂上は近づかず、何度も諦めかけました。しかし、ここで私を支えたのは、年末に会いに来てくれることになっていた日本で待つ恋人の存在でした。

「これを登りきれば、また一歩、まゆに会う日が近づくと自分に言い聞かせながら登った。」

渾身の力を振り絞って頂上(サミット)に到達したとき、目の前に広がったのは、言葉では言い表せないほどの雄大な景色でした。

「サミットからの眺めは最高で、言葉では言い表せなかった。これは登った人にしかわからない世界だと思う。」

体力の限界を乗り越えて手にしたこの絶景は、旅の達成感を強く感じさせてくれました。

頂上からの景色
見かけたらふと登りたくなりませんか笑

🏖️ ロードトリップのフィナーレ:天国のビーチ/Lucky Bayと、次の移動への決断

登頂の感動を胸に、私たちは旅の最終目的地の一つ、エスペランスへと向かいます。

そこで出会ったのは、まさに天国のような場所、Lucky Bay(ラッキー・ベイ)でした。

「入ってみると驚くほど美しい。Whitehaven Beach にも匹敵する白い砂と青い水。何よりも砂のきめ細かさに感動し、思わず持ち帰ってしまったほど。」

(2003年12月1日の日記より抜粋)

白い砂とエメラルドグリーンの水のコントラストは、過酷な旅路を癒す最高の報酬でした。

十分に伝えきれないのが残念ですが。

その後、レンタカーの旅を終え、再びパースへ。
翌日からパースを出ることを決めていた私は、ダーウィンからパースまで寝食を共にしてきたもう一人のメンバー、マイの20歳の誕生日をお祝いのワインで足早に祝いました。

「もしかしたら最後になるかもしれない3人の夜を楽しんだ。」

(2003年12月2日の日記より抜粋)

一人でのロードトリップも良かったのですが、やはり苦楽を共にした仲間の存在は宝物です。かけがえのない友情と絆を胸に、私は次の、そして最も長い移動へと向かいます。


➡️ Next:青春を賭けた物語は、大陸横断のノスタルジーへ

西オーストラリアでの挑戦を終えた私は、いよいよオーストラリア大陸を東へ横断する長旅に乗り出します。

次回は、インディアンパシフィック号での3日間の車窓と、アデレードでの心の葛藤を描きます。

  • 大陸横断列車:インディアンパシフィック号での2泊3日の移動。
  • 運命の再会:カビたパンをきっかけに訪れた、旅仲間の予想外の救済。
  • アデレードの誘惑:日本のマンガにハマり、観光計画が崩壊。
  • 危険な出会い:公園で声をかけてきたゲイ疑惑の男性への恐怖。

次回:【第12話】大陸横断列車インディアンパシフィック号2泊3日と、アデレードでのマンガの誘惑

お楽しみに!

お読みいただきありがとうございました。
この「青春を賭けた大陸横断」の全物語は、こちらの連載全目次からお楽しみいただけます。

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