【ワーホリ持ち物】洗濯ロープは必要?|窓の向こうで揺れる白

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この記事の前半は、2003年の実体験をベースにしたショートストーリーです。
後半の「旅の舞台裏」に、洗濯ロープの選び方と使い方をまとめます。

※この記事にはプロモーション(アフィリエイトリンク)が含まれます。合う/合わないも含めて正直に書きます。


結論(忙しい人向け)

ワーホリ中の洗濯は、「洗う」より「乾かす」が厄介でした。
洗濯ロープがあると、乾かす場所が限られるドミトリーでも“自分のスペース”を作れます。特に、移動が多くて洗濯物を溜めがちな人ほど効きます。
迷ったら、まずは 「ピンチなしで留められるタイプ」(=クリップ不要)を選ぶのが早いです。


ショートストーリー|窓の向こうで揺れる白

オーストラリアの強い陽差しは、あらゆるものの色を奪っていくようだった。広大な大地を移動するバスの窓からも、滞在先のドミトリーの裏庭からも、乾いた熱気が立ち上っている。バックパック一つで移動を続ける生活において、避けて通れないのが洗濯の問題だった。

町から町へ移動する間、洗濯物は溜まっていく。宿にランドリー設備があれば幸運だが、小さな町の古い宿では、壊れかけの洗濯機が一台あるだけ、ということも珍しくなかった。通常、洗濯はシャワーを浴びつつ、自分の身体と一緒に衣類も洗う。そのため旅の荷物には常に固形石鹸を忍ばせていた。基本は貧乏旅なので、洗濯はもちろん、衣類の乾燥はもっぱら宿泊しているドミトリー部屋だ。

二段ベッドのフレームにTシャツを引っ掛けてみるが、風が通らずに生乾きの匂いが残る。かといって、共用のテラスにある物干し台は常に先客のタオルで埋め尽くされていた。自分のベッドのわずかなスペースを活用して、効率よく、かつ確実に乾かす方法を考えなければならなかった。濡れた衣類を抱えたまま次の町へ移動するのは、バックパックの中身を重くし、気分まで停滞させる原因になるからだ。

私はサブバッグの底から、編み込まれた一本の細い紐を取り出した。
それは両端にフックがついた、自転車の荷台用のロープだった。洗濯をしないときはバックパックの外側に、テントやマットをくくることのできる優れもの。

ピンチを使わなくても、二本のゴムを捻り合わせて、その隙間に衣類の端を挟み込むだけで固定できる。二段ベッドの支柱と、窓際の金具にフックを引っ掛ける。ピンと張ったラインに、手洗いしたばかりの靴下やTシャツを次々と挟んでいく。

窓から入り込む乾いた風が、細いロープの上で衣類を揺らした。数時間もすれば、オーストラリアの乾燥した空気が湿り気をすべて吸い取ってくれる。夕食を終えて部屋に戻る頃には、Tシャツはパリッと乾き、石鹸の清潔な香りが漂っていた。

翌朝、乾いた洗濯物を畳んでバックパックに詰め、ロープを小さく丸めてポケットに仕舞う。その一連の動作が、旅の秩序を保っているような気がした。

結局、旅の間中、私はこの紐を使い続けた。特別な技術も力もいらない、ただの細いロープ。けれど、それがあってよかったと思う。なかったら、生乾きのシャツをバックパックに押し込むときの、あのわずかな憂鬱を何度も味わうことになっていただろう。


旅の舞台裏|専用品には敵わない?代用品で知った「重さ」と「ゴムの伸び」

正直に言うと、私は「洗濯用ロープ」として専用品を持っていたわけではなく、自転車荷台用のロープで代用していました。

ラウンド中は何かと荷物を減らしたくなるので、「何かと兼用できるアイテム」は強いです。ただ、場所によってはロープを張れないところもあり、洗濯物を干す用途としては「使ったり使わなかったり」でした。一方で、バックパックに入りきらないテント用マットを括り付ける用途では、ほぼ常に使っていました。

洗濯用途をメインにするなら、やはり専用品のほうが使いやすいと思います。自転車荷台用ロープはゴムなので、重さに弱く、夏服1日分程度なら問題なくても、それ以上重くなるとゴムが伸びて耐えられなくなります。

両側にフックが付いていましたが、張れる場所の幅はまちまちなので、結局フックは使わず、ある程度の長さで端を結んで使うこともありました。最近は ピンチ付きの洗濯ロープ もあって、とても便利ですね。


選び方|洗濯ロープで失敗しない3点

ピンチ不要(挟めるタイプ)だと、運用が楽

洗濯ロープで地味に面倒なのが「洗濯ばさみ(ピンチ)を別で用意すること」です。
ピンチ不要(ロープ自体に挟み込み機能がある)タイプは、荷物も手間も減ります。

長さは“結べる余裕”がある方が強い

旅先の部屋は、張れる距離が毎回違います。
フックがあっても距離が合わないことがあるので、結べる余裕がある長さのほうが、結果的に使えます。

強度(ゴムロープは重さに弱い)

ゴム系は便利ですが、重いものを干すと伸びてしまいます。
「夏服1日分ならOK」でも、連泊や天候で乾かずに量が増えると厳しくなる。ここは用途に合わせて割り切りが必要です。


おすすめ

合う人:移動が多く洗濯物が溜まりやすい/ドミトリー滞在が多い/部屋干し前提で考えたい
合わない人:ランドリー付きの宿中心/干す場所が確保できる環境が多い(→優先度は下がる)


旅用に“洗濯用途メイン”で持つならピンチ付き洗濯ロープ(楽天)

ピンチ不要で“できるだけ小さく”したいならランドリーロープ(楽天)


よくある質問(FAQ)

Q. 洗濯ロープはワーホリで必須ですか?
A. 必須とは言い切れません。ただ、ドミトリー中心で「乾かす場所が毎回変わる」人ほど、役に立つ確率が上がります。

Q. 洗濯ばさみ(ピンチ)も持ったほうがいい?
A. ピンチ不要タイプなら持たなくても回ります。別で持つなら、小さいものを少数に絞るのがおすすめです。

Q. 宿でロープを張れないことはありますか?
A. あります。張れる場所がない・禁止されている・距離が合わない、など。だからこそ「結べる余裕の長さ」があると生存率が上がります。

Q. ゴムロープで代用はアリ?
A. アリです。私も代用していました。ただ、重くなると伸びて耐えられないので「軽い洗濯物中心」と割り切るのが現実的です。


さいごに

乾いた風が吹く国で、なぜか一番厄介なのが、乾かす場所でした。
窓の向こうで揺れる白が見えるだけで、その日の移動が少しだけ楽になる。洗濯ロープは、私にとってそういう道具でした。

▶ 次回:ヘッドライトの話
▶ 前回:南京錠の話


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