【第9話】【2003年ワーホリ回顧録】青春を賭けた大陸横断と人生の答え

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特別なアクティビティを予約しなくても、そこには息を呑むような「オーストラリア」が広がっていました。木陰のベンチで静かに見守る、彼らとの穏やかな共有時間。

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【第9話】🏜️ ダーウィンから大陸縦断へ:カンガルー事故とリッチフィールドNPのサバイバル

序章:大陸最北ダーウィンでの再会と熱帯の洗礼:格安フライトでVIP待遇

2003年10月26日。東海岸の旅を終えた私は、飛行機で一気にオーストラリア大陸北端の街、ダーウィンへと飛びました。

予定していたバスでの移動の予定が狂い、急遽決めたフライトでした。途中でなぜか予定外の場所へ1度降りることになり、それが理由か、機内でビジネスクラス用の食事を食べられることになり、まるでVIP待遇。旅の始まりから少しリッチな気分を味わいました。

思っていたより小さい飛行機

ダーウィン空港で合流したのは、シドニー時代からの友人ナオコ、そして先にダーウィン入りしていたヨシでした。

「この日、ヨシと約3、4日ぶりの再会を果たし、夜遅くまで語り合った。にしても、ダーウィンは暑い。」

(2003年10月26日の日記より抜粋)

ケアンズよりさらに北に位置するダーウィンは、まさに熱帯気候。到着初日から、強烈な暑さと湿気、そして新たな出会いに包まれました。

🚙大陸縦断の旅:リフトの探索と、バッパーでの仲間との再会

ダーウィンでの最初のミッションは、大陸を縦断するための「リフト(相乗り)探し」でした。各バッパーの掲示板を回り、情報を収集する日々。

滞在していたYHAでは、ボーエンでピッキングを共にしたシュンや、新しい女性の仲間セキヤと再会。再び日本人コミュニティが拡大し、孤独感は薄れていきました。

募集はこんな感じ
電話をかけまくる
テントも欲しいので探す
同じく電話をかけまくる

最終的に、次の目的地ブルームまでのリフトは、イギリス人のTimの車に乗せてもらうことに決定します。


🛶 キャサリンゴージとリッチフィールドNP:カヌーと命がけの滝へのワイルドな挑戦

Timとのリフトが始まる前日、ヨシとレンタカーでキャサリンへ。ここでの体験は、東海岸では味わえなかったワイルドなものでした。

1. キャサリンゴージでのカヌー

最大の目的はカヌー体験。最初は息が合わず、まっすぐ進むこともできませんでしたが、岩場を越えて奥へと進むうちにコツを掴みました。

「途中、暑くなったら川に飛び込み、あの静かな場所でただ浮かんでいるだけでも最高に幸せを感じた。」

(2003年10月31日の日記より抜粋)

静寂の中で水に身を委ねた瞬間の解放感。これは、旅の疲れと緊張を一気に解きほぐしてくれる至福のひとときでした。

2. 命がけの滝への飛び込み

Timとのリフトが始まると、私たちはリッチフィールド国立公園(NP)へ。

Timは飛び込み好きで、どのスポットでも7mほどの高さから躊躇なく飛び込みます。そのワイルドさに触発され、私もヨシも挑戦しました。

「高さは7mくらいだが、上から見るとかなり高く、怖かったが面白かった。」

(2003年11月2日の日記より抜粋)
ちゃんと安全なことは確認してた(ハズ)

恐怖とスリルを乗り越えた達成感は、旅のモチベーションをさらに高めてくれました。夜は、ハエに囲まれながらも火を起こし、ワイルドなキャンプファイヤー。途中持っていた水が底を尽き、のどの渇きで眠れない危険な状況もありました。

束の間の休息時間、環境は過酷!

😰 オーストラリアのリアル:カンガルー事故と苦痛を終わらせる命の選択

旅の道中、最も衝撃的で、オーストラリアという大地の厳しさを知った出来事が起こります。

キャサリンから西オーストラリア州のカナナラへ向かう途中、カンガルーをひいてしまったのです。

「バーストしたような音がして車を止めてみると、カンガルーをひいてしまったらしかった。後方を見ると右手足を損傷し、ひょこひょことしか歩けないカンガルーがいた。」

(2003年11月4日の日記より抜粋)

カンガルーはかろうじて生きていましたが、このままでは生きていけない状態でした。ここでTimが下した決断は、衝撃的でした。

彼は道端から大きな石を持ってきて、何かをささやいた後、カンガルーの頭を投げ落としました。

「このままでは生きていけないと判断したTimは道端から大きな石を持ってきて、何かささやいた後カンガルーの頭を投げ落とした。(中略)この状況は目に焼き付けておくべきだと感じ、一部始終を見届けた。すごい光景だった。」

(2003年11月4日の日記より抜粋)

ケガをしたカンガルーをそのままにしておくと、本人にとっても、後続の車にとっても危ないので、命を絶つルールがあるとTimは言っていました。動物を救うことができない状況で、苦痛を終わらせる「命の選択」。これは、観光地での華やかなワーホリ生活とは違う、オーストラリアのリアルなサバイバルを突きつけられた瞬間でした。


➡️ Next:青春を賭けた物語は、価値観の衝突とアクシデントへ

カンガルー事故というサバイバルの厳しさを乗り越えた私たちは、Timとの価値観の衝突を経験しながら、さらに西へ進みます。

次の街ブルームでは、「旅の悪運」と「人の闇」に直面し、予期せぬトラブルに見舞われます。

  • 長距離ドライブでの宿泊場所をめぐる論争。
  • ブルームでの憧れのキャメルライド失敗と、安宿での泥棒被害。
  • 旅のロマンを叶えた独立国家「ハットリバー公国」への訪問。

次回:【第10話】西オーストラリア縦断の旅:ハットリバー公国ブルームでの泥棒被害

お読みいただきありがとうございました。
この「青春を賭けた大陸横断」の全物語は、こちらの連載全目次からお楽しみいただけます。

【2003年ワーホリ回顧録】青春を賭けた大陸横断と人生の答え

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