2003年10月。オーストラリア北端、ダーウィンの空港に降り立った瞬間、湿気を帯びた熱気が全身を包み込んだ。東海岸の涼しげなビーチとはまるで違う、熱帯の洗礼。これから始まる大陸縦断の過酷さを、肌が直接訴えかけてくるようだった。
ダーウィンでの最初のミッションは「リフト」探し。バックパッカーズ宿の掲示板を回り、見知らぬ番号に片っ端から電話をかける日々だった。その合間を縫って、友人と向かったキャサリンゴージは、私に東海岸では味わえなかったワイルドな体験をもたらした。
カヌーに乗り込み、岩場を越えて奥へと進む。水の流れは穏やかだが、時折、岸辺に上がって岩場を歩いては、またカヌーを漕ぎ出す。普通のサンダルではすぐに滑りそうな足元だったが、この時の私は、水陸両用を謳う足元を選んでいた。水に濡れてもすぐに乾く素材は、乾いた岩場を歩いても、カヌーに乗り込む際も、足元に余計な煩わしさをもたらさなかった。
リフトが始まってからも、その足元は活躍の場を広げた。リッチフィールド国立公園(NP)の滝壺では、7メートルほどの崖からの飛び込みに挑戦する友人に触発され、私も躊躇なく水へと飛び込んだ。水辺を歩き、岩場を登り、水の中へと躊躇なく飛び込める。そんな自由が足元にあることは、行動範囲を格段に広げた。
しかし、真価を発揮したのは、水場を離れてからだった。日中の強い日差しの中、国立公園内のウォーキングコースを歩く。本格的なトレッキングシューズのようなホールド感はないものの、しっかりと足を支え、長時間の歩行でも足が疲弊しにくい構造だった。通気性が良く、熱がこもらないため、蒸し暑い熱帯の気候でも快適だった。
そして何よりも重宝したのは、その持ち運びやすさだった。夜間の移動中や、車の荷台に積み込む際、バックパックの外側にぶら下げておけば、場所を取らず、濡れたままでも気にせず収納できた。カラビナを引っ掛けられるループは、旅の道具を一つでもコンパクトにしたい私にとって、まさに痒い所に手が届く機能だった。
ダーウィンから西オーストラリアへと進む中で、私の足元は常に自由だった。水辺での遊びも、乾いた大地でのウォーキングも、そのサンダル一つで何の心配もいらなかった。あの旅を、足元から支えてくれた、まさに相棒のような存在だった。
旅の舞台裏
スポーツサンダルは旅の途中で購入しましたが、とても重宝しました。
水陸両用という手軽さに感動し、帰国後も新しく購入し、今まで何度もアップデートしながら、現在に至るまで常に一足は常備しています。
最初に渡豪したのは5月で、これから冬に向かっていく季節でした。そのためスニーカー一つで全く問題なかったのですが、徐々に北に向かうにつれて熱くなってきて、ダーウィンでは、50度警報が発令されるほどの気温差でした。
北上するにつれて気温も上昇し、また旅のスタイルもラフになっていく過程で、部屋の中でも常に靴を履いていては蒸れてくるし、靴下を毎日選択するというのも手間になってくるし、という流れの中でたどり着いた結論でした。
できるだけ安いものを物色する中で、当時3000円くらいのスポーツサンダルに出会い、最後まで一緒に旅をしてくれました。帰国後も使用していましたが、劣化により壊れてしまい、色々試した結果、現在はKEENのNEWPORTH2一択です。奇しくも2003年に誕生ということで、余計に愛着を持っています。


コメント